健康経営

近年、経済構造変化から働く環境が影響を受け、働く人のメンタルヘルスが注目される時代になりました。また、少子高齢化社会となり、労働力が減少していく中、労働生産性の低下など、労働力の確保や従業員の定着、活躍が重要になってきています。「健康経営」とは、「社員の健康を重要な経営資源と捉えていく」という考えのもと、健康増進に積極的に取り組む企業経営のスタイルです。

 

この「健康経営」は、アメリカの臨床心理学者・ロバート・ローゼン博士による「ヘルシーカンパニー」に基づいています。企業の利益追求と、働く人の心身の健康維持を両立することで、従業員個人の生活の質の向上だけでなく、企業活力を高め、経営者と従業員がお互いに“Win-Win”の関係を実現することができるという考えです。

 

2015年よりストレスチェックが50人以上の企業・組織に義務化され、 従業員の健康管理者は経営者にあることが明確化されました。経営者の経営方針のもと、健康管理を組織戦略に則って展開することが、これからの企業経営にとって重要です。「健康経営」では、企業のトップが従業員の健康を経営課題として捉え、その意義や重要性をしっかり認識し、その理念をトップダウンで社内外にしっかり示すことが肝要です。その理念のもとで、社長、人事総務、保健スタッフ、あるいは健康経営推進の担当部署が中心となって、従業員の健康保持・増進に向けた実行力ある組織体制を構築していきます。

 

「健康経営」では「健康」の維持・増進を「投資」と考えます。実施例としては、歩数計配布による運動習慣のサポート、がん検診のサポート、禁煙・節酒のための支援、生活習慣病対策として社内食堂での栄養面のサポートなどがあり、自社に見合った施策が実施されています。また、健康経営に取り組む法人が、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価を受けられるよう、優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する、経済産業省による「健康経営優良法人」認定制度も設けられています。

健康経営優良法人認定を受けることは「政府お墨付きのホワイト企業」となり、採用時のメリットにもつながっていくことでしょう。

 

参考:

企業の「健康経営ガイドブック」 経済産業省 商務情報制作局ヘルスケア産業課

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkokeiei-guidebook2804.pdf

 

筆者:

相談センター 精神保健福祉士 産業カウンセラー

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