ニュース

【学会発表報告】第98回 日本産業衛生学会にて研究発表を行いました

2025/05/30

2025年5月、仙台で開催された第98回 日本産業衛生学会において、株式会社パソナセーフティネットは、産業精神保健および人事労務分野に関する研究発表を行いました。

■ 発表演題
「カスタマーハラスメント経験の有無と労働者のメンタルヘルスの関連の検討」

■ 発表の概要
本研究では、ある社会福祉法人にて実施されたストレスチェックのデータに、カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)の経験を問う設問を追加し、カスハラ経験の有無と心理的ストレス反応との関連性について検討を行いました。

近年、カスハラの防止に向けた条例の制定や企業内方針の整備が進んでいる一方で、メンタルヘルスへの具体的な影響については、実証的な検討がまだ十分とはいえない状況です。そこで、こうした課題を踏まえ、本研究を実施いたしました。
調査の対象となったのは介護職を中心とする445名の従業員であり、そのうち11.5%がカスハラの経験があると回答しました。
階層的重回帰分析の結果、カスハラの経験者の方が非経験者に比べて、心理的ストレス反応が有意に高かったことが明らかとなりました。
さらに、仕事の量的負担感やコントロール感、上司や同僚からの支援といった職場環境要因についても、心理的ストレス反応の高さと有意に関連していることが示されました。

■ 今後の展望
本研究の結果は、対人支援職においてカスハラ経験がストレス要因の1つであることを可視化するとともに、カスハラ対策と職場環境の改善を一体的に進めることの重要性を示しています。

今後は、他業種での再検証や、カスハラに対する組織的な対応方針の策定支援、さらにストレスチェックの結果を活用した「働きやすい職場環境」の提案と実装につなげてまいります。

本研究の実施にあたり、調査にご協力いただいた社会福祉法人の皆様、ならびに分析にご助力いただいた株式会社ベターオプションズ代表であり、慶應義塾大学特任助教の宮中大介先生に、心より御礼申し上げます。

株式会社ベターオプションズ
https://better-options.jp/

 

今回の学会では、「カスタマーハラスメントと労働者のメンタルヘルスの関連」について、当社の取り組みを報告いたしました。
現場での実例や支援事例を通じて、制度の整備だけでは十分ではなく、相談しやすい体制づくりや、職員のメンタルヘルスのフォローも欠かせないことが、あらためて浮き彫りとなりました。

パワハラ・セクハラ・カスタマーハラスメントなど、現場で起きる“グレーな事例”に対応するには、制度やマニュアルに加え、実際に使えるスキルや相談体制の整備が欠かせません。
パソナセーフティネットでは、EAP(従業員支援プログラム)専門機関として、職場の課題に即したハラスメント対策を支援します。

・管理職・従業員向け研修
・ 外部相談窓口の設置・運用支援
・ カスハラ対応体制の構築サポート など

▼詳細はこちらからご覧いただけます:
https://www.safetynet.co.jp/lp/harassment/

資料ダウンロード全27ページパワハラ防止法に対応!体制づくりに役立つ資料を無料進呈資料ダウンロード全27ページパワハラ防止法に対応!体制づくりに役立つ資料を無料進呈