GWが明けたころからボチボチと人事ご担当者様から耳にすることが増えるワードに「退職代行」があります。
「代行業者から突然『退職願い』の連絡がきて驚いた」「直接のコンタクトはしないように言われた」「ロッカーの荷物や貸与のパソコンをどうしたらいいか」「なぜ?と理由が分からない」といった切実な声ばかりです。
筆者の感覚では、コロナ感染症が徐々に減少し5類に移行してから増加している印象がありますが、皆さまの所属する企業ではどうでしょうか。
退職代行を活用する理由を考えると、働き方改革で多様な働き方が可能になり、キャリアチェンジや転職に対する抵抗感が減ったことや転職情報が容易に収集できるようになったことの影響に加え、人間関係の希薄さ、コミュニケーション不足もあるように思います。
例えば、 「上司が怖くて言い出せない」 「期待と違った仕事だった」 「辛くて仕方がないからすぐ辞めたい」 「労働環境が悪い」 「一旦は相談したが無理な引き留めにあった」 「何となく」 「学び直し、資格取得のため」など
誰しも納得するポジティブな理由のものから「もったいない退職」と言われるネガティブなものまで様々です。 「ズレ」が理由であれば、決断に至る前の良好なコミュニケーションや適正なプロセスが保たれていたなら退職を予防することも可能だったでしょう。
部下が何を大切にしているのか、得手不得手はあるのか、1年後、3年後、5年後のキャリアをどう捉えているのかなど、様々な視点で部下を理解することがポイントで、組織や上司との「ズレ」を修正することで、互いにウィンウィンの環境を作ることが肝要です。
さらに、部下本人の「受援力」を高め、「自己開示」が可能になれば「ズレ」を早期にキャッチすることができ、サポート体制を構築したり、語られる悩みに耳を傾けることが可能になります。
「受援力」はレジリエンスの中に含まれる社会性を育む大切な要素です。 また、上司のサポートは1オン1などの実施や日頃の観察で充実させることができるでしょう。
組織のコミュニケーションに課題を感じておられる際には、こうしたテーマで教育を行うことも一計と思います。
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