HRコラム

こころとからだの健康

春先のメンタルヘルス~変化とセルフケア~

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春を表すことばに「木の芽どき」があります。枯れ枝に思えた木々から一斉につぼみが生まれ、一気に色とりどりの花が開花します。
「啓蟄(けいちつ)」と暦にもあるように、休眠をしていた虫たちも一斉に外に出て活動を始めます。
生き物には嬉しい季節の変化は、私たち人間にも恩恵をもたらしてくれる一方、季節の変動は心身に影響をもたらします。
今回は、私たちの体のバランスを取っている自律神経についてお話します。

環境の影響を受けやすい自律神経ですが、寒い冬は交感神経が優位に働き、暑い夏は副交感神経が優位に働きます。中間である春は、移行期間になるのですが、三寒四温で朝晩の寒暖の差も大きく自律神経が疲労しやすい状態なりがちです。
また、気圧も不安定になりがちで「菜種梅雨」などの言葉もあるように、雨が続いたり突然の降雪などに戸惑うこともあります。

日本初の「気象病外来・天気痛外来」を開設した愛知医科大学病院痛みセンターの佐藤Dr.によると、「ヒトの体は天気の変化、すなわち気圧の変動を受けるとストレスを感じます。すると、そのストレスに対抗するために交感神経が活発になり、血流が障害されたり筋肉の緊張が起こったりします。そして、この自律神経のバランスの乱れによってもともと体に持っていた痛みが悪化するのです」と解説します。

また内耳が敏感な方は、天気痛のリスクも高まると言います。
佐藤Dr.の助言は「センサーとなる内耳が気圧の変動に過剰に反応しないように抗めまい薬を予防的に服用し、内耳の血行を改善したり前庭神経の興奮を抑制したりします。佐藤Dr.は薬以外の対処法として、耳のまわりをほぐして血行や水分代謝をよくする“くるくる耳マッサージ”を考案し、これを推奨しています。

さらに春は気温や気圧だけでなく、入学、就職、昇進、異動、転職などの社会的環境の変化も多く、こうした変化がストレスとなり、心身の状態にも変化が起きやすくなります。
不安や期待、緊張、疲労、生活リズムの変化など感じる方もおられることでしょう。

ストレス過多になることで、交感神経が過剰に働き、「過緊張」が続くと、脳はストレス疲労により活性酸素を蓄積させ、酸化ストレス状態になります。すると自律神経の自動調整機能が正常に働かず、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうのです。こうした脳疲労状態をそのままにしておくと様々なストレス反応が表れます。

弊社の相談室にも春は「疲れて眠りたいのに寝つきが悪くなった」「頭痛や頭重が続いている」「人間関係が新しくなり緊張が続いている」「なんとなくダルい」「職場に馴染めない」「気分が低迷している」「朝、起きるのがつらい」などのご相談も増えてきます。
そこで大切になるのが、セルフケアです。

ここからは、カウンセラーがお勧めしたい「セルフケア」の方法についてお伝えします。

緊張を緩める、すなわち副交感神経を優位にさせる「3つのR」をご存じでしょうか。
①リラックス ②リクリエーション ③レストを心がけ、いつもより少し意識し心がけてみましょう。

①リラックスの王様は何といっても「睡眠」です。
自律神経のバランスを維持するには睡眠時間の確保が大切です。

こうした変化に対応できず、睡眠のリズムが乱れ、寝不足が続き睡眠負債が溜まると心身の疲れが回復しないばかりか、脳が「眠れ、眠れ」と命令を出すことで、微小睡眠や局所睡眠を誘発しますから、「大切な会議の最中に寝落ちしてしまった」「聞いたはずなのに覚えていない」「電車で乗り過ごしてしまった」「忘れ物やうっかりミスが増えた」などが起きることがあります。
適切な睡眠時間は年齢や体質など条件はありますが、成人ならば毎日平均して最低でも6時間は眠るように心がけましょう。
睡眠の質をあげるには、規則正しい生活が要となります。
「速やかに寝るための10か条」をご紹介します。

①朝起きてお日さまの光を浴びましょう
②食事は規則正しく摂りましょう
③運動は夕方に。散歩も心がけましょう
④カフェインは眠る3時間前までで控えましょう
⑤アルコールは眠る3時間前まで
⑥床に入る2時間前から強い光は避けましょう
⑦入浴は寝る30分前が理想的。40度以下の温めのお湯に20分以上
⑧寝室は18度から26度に設定しましょう
⑨床に入ってからのスマホ、ゲームはご法度です!
⑩眠らなきゃ!と焦らない

ご参考になさってください。

②リクリエーション(リフレッシュ)などの気分転換も大切
ここでちょっとした注意をしたいのが、周囲の環境の変化が多い春先に新たなことに挑戦するのは慎重に選択をされること。
新たな変化は、例え楽しいことでも思いがけず負担になることもあるので、ご自身の余裕を考えて無理のないスケジュールを作成しましょう。
変化に慣れ、状態が落ち着くまではこれまでの日常のリズムを崩さないことがポイントです。
簡単にできるリフレッシュ方法でお勧めしたいのが、「自然に触れる」こと。
窓を開けて風を感じたり、外を眺めて春の若葉の揺らぎを見つめたり、昼休みや通勤時間を利用して外を歩いたり、音楽を聴いたりする時間を取り入れます。
自然界には「1/fゆらぎ」が多く存在します。「規則的」なものと「不規則」なものが調和した状態が、「1/fゆらぎ」で、心地よく快適な気分なります。
気分転換に「1/fゆらぎ」を取り入れてみましょう。

3つのRの最後は、レスト(休養)です。
休養の方法は消極的休養(パッシブレスト)と積極的休養(アクティブレスト)の2つです。

「疲労困憊し、とにかく休みたい」ときは、消極的休養ですね。
・意識的に目を閉じる ⇒ 人間は情報の80%を視覚から得るため、目から入ってくる情報を遮断すると、脳を休ませることができます。
・深い呼吸をする ⇒ 緊張すると呼吸が浅くなります。しっかり空気を吐ききることで、血液中に二酸化炭素が行きわたると、幸せな気分をもたらす神経物質であるセロトニンの分泌量が増加します。セロトニンは、気分や感情の高ぶりを抑え、衝動的な行動を抑制する効果があるので、ストレスやイライラを取り除き、心をゆったりした状態に導いてくれます。
・何もせずにゆっくり過ごす ⇒ 「なにもしないことをする」ボーッと過ごし緊張をほぐしましょう。

積極的休養の方法は、
ウォーキングやジョギング・自転車・水泳、ヨガなどの一定のリズムで長時間行える有酸素運動です。
運動することで、疲労回復効果のある成長ホルモンが分泌され、睡眠が深まり、血流改善により乳酸(疲労物質)が押し流され、ストレスホルモン(コルチゾール)が低下しストレスが発散されるので、疲れがとれます。

ご自身の工夫しやすいセルフケアを見つけ、変化の多い春を健やかにお過ごしください。

 

 

筆者:産業カウンセラー 公認心理士

参考:厚生労働省 eーヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

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