こころとからだの健康

ストレスに対処する「5つのR」をご存じでしょうか?

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いよいよ寒さも本格的になりつつあります。冬は着るものが重くなったり、身体が縮こまることで肩凝りが起きたり、日照時間の減少で憂鬱な気分を感じたりする方もおられるかも知れません。

今回のコラムでは、ストレス耐性を上げるための「5つのR」についてお伝えしたいと思います。
交感神経が優位になり、緊張が続いたときには副交感神経を優位にさせる「R」やストレスに対する力を上げる「R」を活用しましょう。

5つのRとは、
①リラクセ―ション
②リクリエーション
③リトリート
④レスト
⑤レジリエンス
の頭文字をとったものです。

5つのRについてカウンセラーから推奨するいくつかをご紹介しますので、いつもより少しストレスを意識して、いまお持ちのストレス対処法に加えていただけたら幸いです。

①リラクセーション(Relaxation)

リラクセーション(Relaxation)の王様は何といっても「睡眠」です

自律神経のバランスを維持するには睡眠時間の確保が大切です。
「速やかに寝るための10か条」をご紹介します。

①朝起きてお日さまの光を浴びましょう
②食事は規則正しく摂りましょう
③運動は夕方に。散歩も心がけましょう
④カフェインは眠る3時間前までで控えましょう
⑤アルコールは寝る3時間前まで
⑥床に入る2時間前から強い光は避けましょう
⑦入浴は寝る30分前が理想的。40度以下の温めのお湯に20分以上
⑧寝室は18度から26度に設定しましょう
⑨床に入ってからのスマホ、ゲームはご法度です!
⑩眠らなきゃ!と焦らない

②リクリエーション(Recreation)

リクリエーション(Recreation)などの気分転換、気晴らしを活用

思いっきり笑う、美味しいものを食べる、大声で歌う。最近していますか?
大声で笑うと自然に腹式呼吸になり、体内にたまっている大量の二酸化炭素が体外に排出され、たくさんの酸素を体内に取りこみやすくなります。

さらに、大阪府立健康科学センターが行った笑いの頻度と1年後の認知機能との関連についての横断・縦断研究の結果、「ほぼ毎日笑う人」と「ほとんど笑わない人」では、後者のほうが1年後の認知機能の低下が大きいという調査結果が出ています
気晴らしを活用して気分を変えてみることもストレスコントロールには大切ですね。
HRコラム「号泣と笑いの勧め」

気分転換には、こんなこともお勧めです。
冬はジェット気流の影響で1年のうちで星が一番きれいに見られるのをご存じでしょうか。
澄み切った冬の夜空を美しく彩る風景をたまには眺めてみるのはいかがでしょう。
12月から見つけやすくなる星座が「冬の大三角」です。ベテルギウスは三角の頂点、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンは三角の下の2点です。

「冬の大三角」以外にも、うさぎ座、きりん座、やまねこ座など動物の名前の星座も多く見られます。ほかにもおうし座、ふたご座など、星座に詳しくない方でも、耳に馴染みのある名前の星座が見られます。冬の夜空を楽しんでみてはいかがでしょう。

③リトリート(Retreat)

リトリート(Retreat)場所を変えることでリフレッシュ

簡単にできるリフレッシュ方法でお勧めしたいのが、「自然に触れる」こと。
冬は寒さの苦手な方は外出を控えがちですが、遠出をしなくとも通勤途中で季節の移り変わりを楽しめます。たまには仕事帰りに一駅歩いてみる、などいかがでしょう。

また、今年の有休休暇は余っていませんか?
時には思い切って遠出をしたり、森林浴、露天風呂に浸かるなどのリトリートもお勧めです。

④レスト(Rest)

レスト(Rest)休養。緊張や興奮を司る交感神経を抑え、副交感神経を優位にすることで、興奮や緊張状態が収まりリラックスします。

休養の方法は消極的休養(パッシブレスト)と積極的休養(アクティブレスト)の2つです。
「疲労困憊し、とにかく休みたい」ときは、消極的休養ですね。

例えば、
・意識的に目を閉じる
⇒人間は情報の80%を視覚から得るため、目から入ってくる情報を遮断すると、脳を休ませることができます。
・深い呼吸をする
⇒緊張すると呼吸が浅くなります。しっかり空気を吐ききることで、血液中に二酸化炭素が行きわたると、幸せな気分をもたらす神経物質であるセロトニンの分泌量が増加します。セロトニンは、気分や感情の高ぶりを抑え、衝動的な行動を抑制する効果があるので、ストレスやイライラが取り除き、心をゆったりした状態に導いてくれます。
・何もせずにゆっくり過ごす
⇒「なにもしないことをする」ボーッと過ごし緊張をほぐしましょう。

積極的休養の方法は、ウォーキングやジョギング・自転車・水泳、ヨガなどの一定のリズムで長時間行える有酸素運動です。
運動することで、疲労回復効果のある成長ホルモンが分泌され、睡眠が深まり、血流改善により乳酸(疲労物質)が押し流され、ストレスホルモン(コルチゾール)が低下しストレス発散されるので、疲れがとれます。

⑤レジリエンス(Resilience)

レジリエンス(Resilience)は、「回復力」「柔軟性」を意味します

別名「心理社会的に健康な状態」と言われています。
レジリエンスが高まるとストレスコントロールができ、精神的安定や冷静な判断が可能になると言われています。

身につけるためには一定程度の練習が必要ですので、ご興味のあるご担当者様は下記へお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

 

「5つのR」いかがでしたでしょう。
ご自身の工夫しやすいセルフケアを見つけ、変化の多い秋を健やかにお過ごしください。

筆者:産業カウンセラー 公認心理師

参考:厚生労働省 eーヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

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