HRコラム

研修

部下の育成に心理学を応用する Part2~ネームコーリング効果 単純接触効果 ハロー効果~

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今回は、新しく部下となった社員との信頼関係の構築に心理学を応用するお話です。


一つ目はネームコーリング効果についてです。
会話中に「あなたが」「君はさぁ」などの三人称で声をかけられるのではなく、名前で「〇〇さん」と呼ばれることで、相手に対して好感度が高くなる傾向がある心理効果です。

新しい部署に配属されたとき、周囲は自分のことを知らない人ばかり。多くの人は不安を感じたり、居心地の悪さを感じるでしょう。
そのような時に、朝の挨拶の際「〇〇さん、おはよう」「お疲れでした。〇〇さん」「〇〇さん、ランチご一緒にいかがですか?」と呼び掛けられると存在を認めてもらえた安心感が得られることがあります。

人は無意識に自分の名前を好み、自分の名前に含まれる文字に対しても好意的に評定する傾向があると言われています。これはネームレター効果といい、ベルギーの心理学者ジョゼフ・ヌッティンが提唱しました。人混みの雑音の中でも自分の名前が聞こえると何故かそちらに注目してしまう「カクテルパーティ効果」も自分の名前が重要な情報だからです。
このネームレター効果と併せて使われる手法がネームコーリング効果です。

ネームコーリング効果を実践する際の留意点として、
1.やたらと連発しないこと。適切な頻度が大切です。
2.ネガティブな感情で「おい!〇〇!!」と呼び捨てにしないこと。名前を大切に扱うことが大切です。
3.親しみを込めたつもりで「〇〇ちゃん」などと下の名前で呼ぶのは、ビジネスシーンでは受け止められ方によってはセクハラと言われかねませんので注意が必要です。

“あなたの存在を大切にしている”とチームの一員として迎える気持ちで呼びかけましょう。

次にご紹介するのが単純接触効果(ザイアンスの法則)です。アメリカの社会心理学者ロバート・ザイアンスが提唱しました。何度も単純接触を繰り返していくうちに無意識のうちに好感度を上げる心理効果を言います。
人は接触頻度の多い人には意識せずとも次第に好感度が上がっていくという、対人関係において起きる現象を熟知性の法則と言います。
単純接触効果と併せて覚えておきましょう。

新型コロナ感染症の感染拡大があり、折角入社した社員が配属されても、感染予防対策のため、いきなりの在宅勤務で接触の機会が減ってしまっているという声をお聞きします。親しくなるチャンスが減少してしまったのは、大変残念なことです。
そこで一工夫の提案です。
例えば、可能な範囲で出勤日を合わせる。朝礼やミーティングなどオンラインを利用し接触機会を増やしてみるのはいかがでしょう。

単純接触効果で一定の信頼関係が築ければ、その効果はある程度持続しますので、しばらく単純接触を継続することが大切です。
特に入社直後は部署内に知り合いも少なく、上司と部下の心理的距離が広がってしまいがちになります。対話の減少は、孤立、孤独感を深めますし、部下のメンタルヘルス上の影響も考慮が必要になります。こうしたマイナス面の予防のためにも接触頻度を増やし、サポートを行います。

三番目は、ハロー効果です。
ハロー効果とは、1つの側面に対するイメージを、全体への評価として錯覚してしまう現象を指します。米国の心理学者エドワード・ソーンダイクが論文の中で使用しました。
ハロー効果には、ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果(別名:ホーン効果)の2種類あります。

ポジティブ・ハロー効果の例を挙げると、
「〇〇大学院卒!」だから彼女は優秀だろう
身だしなみが完璧だから、仕事ぶりも完璧に違いない
英語がペラペラだからできる人!だろう などなど
一つの特徴で全体がよく見えてしまうという認知バイヤスがかかることです。

反対にネガティブ・ハロー効果は、
一度の失敗で、ダメな人と決めつける
服装が乱れているから、仕事もできないだろう
前職がアルバイトだから仕事ができないかも などなど
一つの特徴で、その人全体が悪く見えてしまう認知バイヤスです。

ハロー効果の影響は実は案外多く、こうしたバイヤスが掛かると相手の本質が見えてこなかったり、間違った人物評価に繋がってしまいます。

「自分には思い込みが起きていないだろうか。」「第一印象で決めつけてはいないだろうか」と自問自答することが大切です。
また、部下自身も「ハロー効果」の影響を受けることを忘れず、部下に対してネガティブ・ハロー効果が生じないよう、態度や発言には気を配りましょう。

 

参考:潜在記憶現象としての単純接触効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcogpsy/3/1/3_1_113/_article/-char/ja/
Nielsen NormanGroup ハロー効果
https://www.nngroup.com/articles/halo-effect/

 

筆者:産業カウンセラー
2021/10

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