HRコラム

こころとからだの健康

自殺対策白書より 女性の自殺増加について

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2021年11月2日 厚労省は、令和3年度版「自殺対策白書」を公表しました。

今年の「自殺対策白書」によると、働く女性の自殺の増加が2020年は顕著だったとして、新型コロナウイルスの感染拡大による労働環境の変化が関連した可能性があると指摘しています。

女性の自殺者の増加
2020年の自殺者数は全国で21,081人と、前年比で912人(4.5%)増加しました。増加は11年ぶりで、男性は減少したものの女性の増加幅が上回り、特に職に就いている女性の自殺者数は1,698人で、19年までの5年間の平均と比べて3割近く増加しました。

女性の自殺の原因や動機では、「職場環境の変化」「職場の人間関係」などの「勤務問題」が最も増えていることなどから、2年ぶりの増加は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により労働環境が変化した可能性があり、そのこととの関連が示唆される。と指摘しています。

女性の「被雇用者・勤め人」について、具体的にどの職種で自殺者数が増加しているのかについて、増減数が大きいのは、上位から、「事務員」「その他のサービス職」「販売店員」、「医療・保健従事者」と続き、増減率が高いのは、上位から、「芸能人・ スポーツ選手」、「金属加工」、「その他の保安従事者」、「遊技場等店員」の結果でした。

同居人ありの自殺者の増加
また、令和2年における同居人別の自殺の状況について、自殺統計によれば、男性、女性ともに全ての年齢階級で、同居人「あり」が多くなっています。
特に女性の同居者ありの自殺率は高く、コロナ禍において在宅勤務者の増加、家事負担の増加など生活様式が大きく変化し、家族と過ごすことがストレス要因になってしまったり、例え同居人がいても、家庭内の人間関係や役割、生活状況によってはこころの健康状態が悪化することがあります。弊社の相談室に寄せられるご相談においても「気持ちを受け止めて貰えない」「理解者が不在」という孤独感や孤立の状況に置かれている方がおられ、集団の中での孤独感の辛さが伝わります。
新しい生活様式が求められる中で、ストレスの発散や心の状態を健やかに維持する新たな対処方法やレジリエンスの強化が一層求められるようになりました。

ウェルテル効果による自殺者の増加

また、「自殺対策白書」では、2020年7月と9月に有名人2人の死亡が報じられた後の自殺者数の変化を分析し、男性俳優について報道があった7月18日から同31日までの自殺者数は、直前2週間の715人から925人に増加。女性俳優の死亡が報じられた9月27日から10月10日は、同813人から1079人に増えました。特に女性の増加率が45.3%と51.6%で、男性(21.2%、22.5%)より大幅に高かったことが示されています。
いずれも全年代で自殺者数が増加。男性俳優では20代男女、女性俳優では40代男女の自殺者が特に増え、白書は「20年下半期の特徴の一つだった」と指摘。報道に影響されて自殺が増える「ウェルテル効果」※があったとみています。

※米国の社会学者ディヴィッド・フィリップス(David P. Phillips)は、自身の研究(1974)で、米国大手紙 の自殺報道が自殺者数の増加に影響を与えていた可能性を明らかにし、1774年に出版されたゲーテ著『若き ウェルテルの悩み』発刊後にその影響を受けたとみられる自殺が増加していたことを踏まえて、これを「ウェルテル効果」と名付けた。

自殺未遂歴の女性割合が増加
2020年における自殺者の自殺未遂歴の有無について、自殺統計によれば全ての年齢階級で、自殺未遂歴が「あり」の 者の割合は、女性が高くなっています。女性の20歳代及び30歳代では、自殺未遂歴「あり」が 40%以上というショッキングな数字が示されています。
男女別にみると、 自殺未遂歴が「あり」の者の割合について男性では30歳代、女性では20歳代が最も高い結果でした。
未遂歴のある方の自殺既遂率は高く、リスクが高いため、受診に繋ぐ、主治医に相談するなどの対処は必須と思われます。

ゲートキーパーで予防する
こうした社会状況の変化において、自殺予防対策としてゲートキーパーの存在は欠かせません。
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。
自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤立・孤独」を防ぎ、支援することが重要です。1人でも多くの方に、ゲートキーパーとしての意識を持っていただき、専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながります。

参考:誰でもゲートキーパー手帳(第二版:平成24年3月作成)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000168752.pdf

セーフティネットは創業以来、自殺防止に取り組んでまいりました。相談室は会員様のゲートキーパーとしての役割を担い、24時間専門家がご相談をお受けしています。
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筆者:産業カウンセラー
2021/11

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