こころとからだの健康

メンタルヘルス ~見逃される男性の更年期症状~

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厚生労働省は「更年期症状」について初の調査を実施しました。

今回の調査で、男性自身に「男性にも更年期にまつわる不調があること」について知っているか尋ねたところ、「よく知っている」割合は、20~29 歳で 9.6%、30~39 歳で 10.6%、40~49 歳で 10.1%、50~59 歳で 15.7%、60~64 歳で 16.5%でした。
女性は30代を過ぎると更年期に対する知識が高まる一方で、男性は更年期不調についてあまり知識を持たないことが分かりました。

男性更年期症状について

男性の場合は女性の閉経に相当するものが無く、男性ホルモン(テストステロン 精のうで分泌 )の分泌低下が比較的緩やかなため、不快な症状が継続しても、「男性更年期障害」という概念が認識されにくいと言われています。

「男性更年期障害」は単に男性ホルモン低下の影響だけを考えれば良いのではなく、加齢の影響、社会的ストレスの影響を考慮する必要があるため、最近ではLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群 Late Onset Hypogonadism syndrome)という概念で考えられています。
症状は多岐にわたるため、多くの方がそれらの症状を年齢からくる衰えや、日々のストレス・疲れだと思い込み、我慢したり、気にせずに症状を放置しがちです。また、時にはうつ病などメンタル疾患と混同される方もおられます。

日本のLOH症候群の潜在患者数は推定600万人と言われています。60代以上の2割、50代以上の1割が該当し、早ければ40代でも起こります。

男性ホルモン(テストステロン)の役割

「社会性のホルモン」と呼ばれ、テストステロンの値の高い人ほど社会貢献の気持ちがつよいことが分かっています。さらに、
*筋肉、骨を強くする
*睡眠の安定
*攻撃力、意欲、瞬発力、集中力を支える
*性欲、朝勃起の維持
*抗炎症作用、認知機能を高める
などの働きがあるほか、生活習慣病のリスクも下げます。

セルフチェック(日本メンズヘルス医学会HPより)

①性欲が低下した
②元気がない
③体力が低下した
④身長が低くなった
⑤毎日の楽しみが少ない
⑥もの悲しい・怒りっぽい
⑦勃起力が弱くなった
⑧運動能力が低下した
⑨夕食後にうたた寝をする
⑩仕事がうまくいかない
10項目のうち、1と7の両方に該当、または全体のうち3つ以上の項目に該当する場合は、更年期障害の可能性があると考えられます。
上記に当てはまり、体調が悪いと感じる場合は、医療機関の受診をお勧めします。

受診は泌尿器科
男性では、「医療機関への受診により、更年期障害と診断された/診断されている」割合は、 40~49 歳で 1.5%、50~59 歳で 1.7%であった。一方、更年期障害の可能性があると考えている割合は 40~49 歳で 8.2%、50~59 歳で 14.3%であった。

コロナで患者数が増加?

先日、タレントのヒロミさんがLOH症候群で治療を受けていることを公表したことで男性の更年期に注目が集まりました。
コロナ下で患者数が増えていると言われ、感染対策による三密予防で人と接する機会の減少、対話の減少など社会とのかかわりが減少したこと、運動量の低下などの生活習慣の変化が要因として挙げられています。
テストステロンは役割が与えられたり、人から承認され、褒められることで回復すると言われていますので、ニューノーマルが求められる社会変化の中、自ら進んで対人関係の在り方を工夫する必要があると思います。

対処方法として

1.しっかり眠りましょう
まずはよく眠ること。
十分な睡眠は、疲労とストレスを解消します。
睡眠が十分な人は、テストステロン値が高くなり、睡眠時間が短い人はテストステロン値が低いという研究もあります。
毎日規則正しい生活リズムを心がけましょう。

2.バランス良い食事を摂りましょう
たんぱく質をしっかり摂ること。
精巣(睾丸)は活性酸素による酸化に弱いので、タマネギやニンニクなど抗酸化作用の強い食品もお薦めです。特にタマネギにはケルセチンという成分が含まれており、テストステロンの排出も抑えてくれます。「毎日2分の1個」を目標に、積極的に食べましょう。スイカや冬瓜など、ウリ類に含まれるシトルリンは一酸化窒素を作って血管を拡張させる作用があり、勃起力とテストステロン値を高めてくれます。カキなど、亜鉛が豊富な食品もいいと言われています。

3.運動しましょう
運動で筋肉に刺激を与えると、テストステロン値が高くなることが確認されています。
ジョギングなどの「有酸素運動」とマシンなどを使った「筋トレ」、どちらも効果的です。
太るとテストステロン値は低くなりますので、ぜひ、カラダを動かす習慣を。

4.オンオフをつけましょう
例えば、
① 友達に会う
気の置けない関係の友達と会うことでストレスが解消され、テストステロン値も高くなります。学生時代の友人などがベスト。リラックスして付き合えますし、現在抱えている仕事の悩みを忘れられます。ただし、深酒は逆にテストステロン値を下げてしまうので要注意です。

② 趣味やお稽古ごとを持つ
気分転換はテストステロン値を高めます。異業種の人との出会いなどは、普段と違う刺激を与えてくれますし、ワクワク感が強いほどテストステロン値も高まり、長く続けられるので、女性が多いサークルのほうが望ましいと言われています。

③自分なりのリラックス方法をもつ
入浴を楽しむ(床に入る前にぬるめの風呂にゆっくり浸かると副交感神経が優位になり、熟睡しやすくなる)
音楽を楽しむ、楽器を演奏する。旅や映画鑑賞なども気晴らしになります。

 

参考:日本メンズヘルス医学会
https://www.mens-health.jp/common
厚生労働省 更年期症状・障害に関する意識調査 結果概要
https://www.mhlw.go.jp/content/000952296.pdf
男性の性腺機能低下症ガイドライン2022: 日本内分泌学会、日本メンズヘルス医学会
https://www.mens-health.jp/wp-content/uploads/2021/10/c95fe605f4e4127722b302a0213fc301.pdf

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