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WHO世界保健機関ニュースから学ぶ ~正しい情報に触れる~

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ITの進化により私たちは以前よりずっと気軽に世界中の情報に触れることができるようになりました。発信される多くの情報の中には、根拠のないものも多く含まれ、何を読み、どのような情報を信用したらいいのか、自分自身で選択し、決定をしなくてはなりません。
2020年から始まった新型コロナ感染症が世界的パンデミックとなり、私たちは自分の健康を守るために、正しい健康情報を収集し、意思決定に活かす必要に迫られています。

そこで今回は、世界中の人たちへ保健、健康について情報発信をしている世界保健機関について、改めてお伝えしたいと思います。

世界保健機関(World Health Organization:WHO)は1948年4月7日に、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立されました。
WHO憲章において、健康の定義として、『病気の有無ではなく、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態にあること』を掲げ、 人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることが基本的人権であると謳いました。

WHO本部はスイスのジュネーブで、194の国と地域が加盟。世界各地に6つの地域事務局と約150か所のWHO事務所があり、職員数は7,000人を超えています。

WHOの仕事としては、新型コロナウイルスなどの感染症対策だけでなく、気候変動の身体への影響、成人病と呼ばれる高血圧、肥満、がんなど多くの疾患に関する国際的なガイドラインなども策定しています。「持続可能な開発目標(SDGs)」においては、だれもが必要な時に適切な医療を受けられるような仕組みづくりとしてユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)を提唱しました。

WHOのホームページでは、8月の1か月のニュースだけを閲覧しても、30件以上の声明、調査結果、健康に関するニュースが掲載されていますので、一部をご紹介したいと思います。

・8月4日掲載
高齢化が進む日本でも課題となっている高齢者の孤独について『孤立と孤独 : 高齢者の健康』の記事で触れています。
『WHO は、意味のある人間関係が健康や幸福全体にとって重要であるとしています。社会的孤立や孤独は、最近、いくつかの国、特に日本や英国で、公共政策や公衆衛生の議題 として取り上げられるようになりました。社会的孤立や孤独は、 高齢者の寿命を縮め、心身の健康や生活の質を損ないます。
WHO、国際電気通信連合、UN Women、国連経済社会局は、国連の「健康長寿のための10年間 Decade of Healthy Ageing」において、社会的孤立と孤独に対処するための 3つの戦略を提案しています。』

・8月25日掲載
『未治療の高血圧症患者は世界で 7億人以上』 インペリアル・カレッジ・ロンドンと WHO が主導した、高血圧の有病率、検出、治療、コントロールの動向に関する初めての分析によると、30~79 歳の成人で高血圧の人は、過去 30 年間で6億 5,000 万人から 12 億 8,000 万人に増加しています。
約 5億8,000 万人の高血圧症の人びと(女性の 41%、男性の 51%)は、診断を受けたことがないため、自分の病気に気付いていません。その結果、高血圧患者の半数以上(女性の 53%、 男性の 62%)、7 億2千万人が必要な治療を受けていないことが示されました。
WHOは、高血圧症治療に関する新しいガイドライン「WHO Guideline for the pharmacological treatment of hypertension in adult」を発表し、各国が高血圧症の管理を改善するための新たな推奨事項を示しています。』

日本においても、高血圧患者数は、993万7,000人、年間死亡数は、9,567人(2017年厚生労働省データ)であり、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。
未治療の人も含めると高血圧有病者は4300万人に達すると言われ、生活改善、セルフケアが重要なことが分かります。

こうした健康、保健に関する情報を収集し、セルフケアに活かすことは、セルフ・リテラシーを高めます。デマや根拠のない噂に惑わされることなく、健康情報を理解して、意思決定に活用し、適切な健康行動につなげていきましょう。

 

参考:https://japan-who.or.jp/about/news/
筆者:産業カウンセラー 2021/9

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