こころとからだの健康

メンタルヘルス ご家族からの相談 Part3 ~介護相談~

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弊社相談センターは、どのようなご相談でもお受けできる「何でも相談」として窓口を開設して参りました。会員企業様の従業員様はもとより、配偶者、お子様、親御さま方からのご相談も多く寄せられています。
そこで今回はご家族からのご相談の中から一部代表的なご相談(加工済み)を皆さまと共有させていただきます。

相談者Bさん 50代 男性
同居している父親(80代)のことで相談したい。
2か月前、躓いて転倒した際、肩の単純骨折して入院した。母親を先に亡くした後も、家事などに問題なく自立して生活ができていて、自転車に乗るほど元気だった。
骨折は治って退院してきたが様子がおかしい。リハビリもしていたし、入院前には足は何ともなかったのに歩けなくなりトイレに間に合わない。また私には見えないものが見えているようだ。混乱しているのか、寝ぼけているのか分からないが心配。
高血圧で受診している家庭医に相談すればいいのか、誰に相談したら良いのか、認知症になってしまったのか、悲観的な思いが湧いてしまう。これからのことを含めて相談に乗ってほしい。

カウンセラーより
退院されたお父様の変化に驚かれ、困惑しているお気持ちを受け止めながらお聞きしました。
入院中の整形外科では特に骨折以外の指摘はされて来なかったとのこと。地域包括センターへのご相談をされておられるかお聞きしたところ、連絡をされていないことが分かりました。
骨折による入院の後に常態の変化が起きることは高齢者には多いと耳にします。認知機能の低下が起きているか、他の原因があるのかは、今の段階では不明ですが、早めに専門医にかかることを視野に入れておかねばなりません。

地域包括支援センターとつながる
高齢者のサポートについては全て「地域包括支援センター」が担っています。
カウンセラーは、Bさんに地域包括支援センターについて説明を行いました。

「地域包括支援センター」とは
地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしを地域でサポートするために作られた施設(拠点)です。主に自治体が設置していて、令和2年4月時点で全国に5221カ所の施設が存在しています。

「地域包括支店センター」には、どんな専門家がいるの?
地域包括支援センターには、ケアマネジャーや社会福祉士、保健師など、介護・医療・保健・福祉それぞれの専門知識を持った職員が在籍しており、さまざまな外部機関とも連携しながら機能しています。

「何を相談できるのでしょうか」
相談できる内容は主に介護や介護の予防など「保健福祉サービス」に関するものですが、その他にも日常生活でのお困りごとについて相談したり、介護保険の申請窓口としても利用可能です。
まさに「高齢者のための総合相談窓口」として利用できるのが、地域包括支援センターであると言えるでしょう。」

「誰がサービスを受けられるのでしょう」
地域包括支援センターを利用できる対象者は、
・対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者の方
・高齢者支援の活動に関わっている方
ですので、Bさんも相談が可能です。
まずは、お父様の状況を相談し、今後のサポートやケアについて助言を求められるよう伝えました。

相談者Bさん
何もかもが初めてで、地域包括支援センターのことも初めて知りました。いつかはこの日が来るとは思っていましたが、突然のことで混乱し、仕事を辞めなくてはならないのかなど、極端な思いも浮かんでいたので、話を聴いて貰い、また今後の方向性が見えてホッとしました。

カウンセラーより
介護はマラソンです。時間の経過とともに親御さんの状況によってお困りごとが変化します。地域包括支援センターと連携を取りながら、介護計画を立ててくださいとお伝えし、また職場との共有についても助言を行いました。

その他のご相談
・自宅で介護をしているが、親から仕事中に頻繁に電話が入るようになり、仕事に集中できなくて困っている
・夜寝てくれず、家の中を徘徊する親の今後について相談したい
・母親の認知症を疑っているが、受診に繋げられない。説得する方法を教えて欲しい
・介護が10年になり疲労困憊している。この先自分が持たなくなるのではと不安
・ヘルパーに対して不満がある。別の人に交代してもらえるのでしょうか?
・父親の介護認定が3になった。今後、仕事と両立するためにはどうしたらいいのか
などなど

介護のご相談は近年増加傾向にあります。地方のご実家に離れて住む親御さんに突然起きる介護問題などは、ご自身のキャリア、ライフプランも揺らすため問題は深刻です。
介護と仕事の両立を目指し、様々な支援の活用がポイントになりますが、介護計画は個別性が高く、したがって「これが正解」というマニュアルがありません。

相談開始時は、Aさんのように不安や困惑などの感情に襲われたり、悲観的に受け止めてしまう相談者もおられます。カウンセラーは、家族間でできること、専門家に任せられることなどをお話を伺いながら分別し、相談者が無理なく介護を継続していかれるようサポートを行ってまいります。

相談室のカウンセラーは、あらゆるご相談に対応している専門家です。
一人で悩まず相談センターをご活用ください。

 

筆者:産業カウンセラー 公認心理士

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