こころとからだの健康

冬のリラクセーション ~1/fゆらぎでセルフケア~

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年の瀬も近づき、寒さも本格的になってきました。
今回は、寒さに負けずにリラクセーションを楽しむ方法について紹介していきます。
アウトドア派の方もインドア派の方もぜひご活用ください。

1/f(えふぶんのいち)でリラクセーション

心地良さを感じる1/fゆらぎとは?

皆さまは、“1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ”という言葉を耳にしたことはありますか?

“1/fゆらぎ”とは大自然の中に存在するリズムのことで、一定の規則性があると思えるものの中にも不規則性があり、その規則性からのズレを“1/fゆらぎ“と言います。

1976年当時、東京工業大学大学院総合理工学研究科の教授であった武者利光氏が、生物のリズムが一般的に“1/fゆらぎ”をしていることを発見し、しかもそのタイプの刺激が生物に快感を与えることを発表して、広く知られるようになりました。2012年には“1/fゆらぎ”を発生するメカニズムをつきとめ論文を公表されています。
現在では、「ゆらぎデザイン法」を確立し、都市計画、生体リズム解析、環境デザインに関する研究などのビジネス活用にも応用されています。

1/fゆらぎでリラックス

音の“1/fゆらぎ”

森林浴やお散歩などで外気に触れるとリラックスできた。という経験はありませんか?

風の音や空気の揺れには“1/fゆらぎ”があります。
また、雨の音、波の音、小川のせせらぎ音、木々を通る風の音など自然界に存在する音は“1/fゆらぎ”を有しています。

ですから、業務に集中して疲労を感じたときなどは、ランチを外で摂ったり、ちょっと遠くのコンビニまで足を延ばして見てはいかがでしょう。
ご自宅でリラックスしたいときなど、自然環境音を収録したコンテンツなどを聴くことも穏やかな気分になることを助けてくれます。

また、人によって作られた音楽にも“1/fゆらぎ”があります。モーツァルトやバッハベートーベンなどの楽曲やクラッシック音楽などに“1/fゆらぎ”があることは知られています。人の声にもゆらぎはあり、「心地いいな」と感じる音楽をご自身で探してみるのも良いでしょう。

視覚の“1/fゆらぎ”

“1/fゆらぎ”は、音だけではなく視覚でも感じることができます。

冬は日没が早いので、19時過ぎくらいになると星の瞬きが見えます。冬を代表するオリオン座、赤く輝くベテルギウスなど冬の大三角を探し星の輝きを眺めてみてはいかがでしょう。
また、自宅に帰る途中でも、時にはカフェなどから風に揺れる樹木にぼんやり目を移してみるのもよいでしょう。眺めていると時を忘れてしまいそうですね。

さらに視覚による“1/fゆらぎ”の代表的なものの中に、ろうそくや焚火などの炎あります。
この数年ブームになっているキャンプですが、アウトドア派の方は、週末キャンプなどで本物の焚火を熾し、美しい炎と温かさを体験している方もおられるかも知れません。
森林をぬける風や湖、河川敷などの水音、“1/fゆらぎ”を全身で感じることができます。
寒さ対策をしっかり行い、火の始末には細心の注意を払いながら体験をしていただければと思います。

インドア派の方は、「焚火は難しい」と感じられるかもしれません。そんな方にお勧めなのが、アロマキャンドルです。

リラックス効果のある精油は、ラベンダーやフランキンセンス、ゼラニウムなどがあります。気分転換などのリフレッシュが目的なら、グレープフルーツ、ベルガモット、ティーツリーなどがあります。香りと同時に炎の“1/fゆらぎ”が楽しめます。
最近では、キャンドルでありながら焚火の音が楽しめる商品などもあり、パチパチとした焚火音と視覚、嗅覚などでリラックスが期待できます。

筆者は、アロマキャンドルと入浴をコラボしてリラクセーションを楽しんでいます。
浴室の電気を消し、キャンドルだけの灯りで温湯(39℃~40℃)に20分程度ゆっくり浸かり、副交感神経を優位にすることで睡眠の質も高まります。
香り、温湯で温泉気分が楽しめますし、炎のゆらぎで視覚的にもリラックスできます。

ストレス発散は“3つのR”で

“3つのR”とは?

ストレス発散に推奨されるものに“3つのR”があります。
レスト、リラクセーション、リクリエーションの頭文字を取って“3つのR”です。
今回ご紹介した“1/fゆらぎ”は、この3つのRすべてに取り入れることが可能です。

レスト(Rest)

休息には、積極的休養(アクティブレスト)と消極的休養(パッシブレスト)の2種類があります。
消極的休養は、疲れを感じたときに、十分な睡眠をとったり、何もせずにボンヤリのんびり過ごす休養法です。身体を休め疲労回復を目指します。“1/fゆらぎ”を意識し、環境音楽を流すのも良いかもしれません。

消極的休養で「疲れが取れない」「気分が切り替えられない」と感じたときには、積極的休養に切り替えることもおススメです。
積極的休養は、有酸素運動を取り入れる休養法です。リズム運動であるウォーキングなどは外気に触れることができます。

リラクセーション(Relaxation)

リラクセーションには、先にご紹介した入浴、アロマテラピーなどが含まれます。
また、ストレッチ、ヨガ、ツボ押しなどもストレス軽減に効果を発揮することが分かっています。
ヨガで行う呼吸法は、副交感神経を優位にし、自律神経を整えますし、マインドフルネス(瞑想)にも「呼吸の瞑想」や「音に耳を澄ます瞑想」などがありますが、“1/fゆらぎ”も意識して行いましょう。

リクリエーション(Recreation)

リクリエーションはリフレッシュ(気分転換)です。楽しいこと、好きなこと、時間を忘れて集中できること、趣味に興じるなどがあります。
皆さまがリフレッシュしたなぁと感じる気分転換はどのような方法ですか?

カラオケで歌う、落語やお笑い番組で大声で笑う、釣りや山登りなどのアウトドアを楽しむなど、その時の状況、年齢、家族構成、予算などを考慮しながら、複数の方法を持っておくことが大切です。

知ること、分かること、活用することで変わる

セルフケアにはさまざまな方法がありますが、ご自身の状況や課題にあった方法をいくつか持っておくことが重要です。

今回、お伝えした“1/fゆらぎ”の活用も一つの知識です。情報を知ること、分かることで利用・活用ができ、変わることができます。

ストレス発散は、楽しみながらできること、自分が心地好いと感じる方法を見つけることで継続して行うことができるでしょう。

ぜひ皆さまの毎日の生活の中に取り入れていただければ幸いです。

 

 

参考:「ゆらぎの発想―1/fゆらぎの謎にせまる」武者利光著
出版:NHKライブラリ

筆者:セーフティネット産業カウンセラー、公認心理師

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